2021年2月『FLUSH-水に流せば-』の巡回展です。FLUSHでは、数名のアーティストが数回のミーティングでの対話や態度の共有を経て、ギャラリー内でどのようにコラボレーションするか、はたまた分断していくのかを見届けることが展覧会の肝であった。今回の『のけもの』では天井も壁も無い野外展なので対話不可能な他者である「台風」等の影響を受けてしまうことになる。展覧会の構造としても、展覧会の関係者各は各々何かアンコントローラブルな状況を設定されている、もちろん主催者も。
29日晴 30日晴 31日雨
この展覧会のタイトルは詩人である辺口芳典に依頼し『のけもの』となる。展覧会のステートメントは歌手のさらさに依頼し歌と詩として出品していただいた。搬入中には占い師のハイ・ヒトミにこの場のお清めと関係者の占いをしてもらい、メインビジュアルを制作した八木幣二郎の3DCGのメインビジュアルがAR作品として会場に浮かんでいる。風が吹くまで待つ光岡幸一の布の構造物作品。藤倉麻子によるこの展覧会自体をモチーフに制作されたメタヴァースとも言える3DCG作品をLEDビジョンで上映し、夜になるにつれて怪しく輝く。千葉大二郎は会期中休むことなく演劇を上演する、水浸しになりながら水車の舞台装置で大声で孤独のパフォーマンスを続ける。森山泰地の作品は飲料水や鑑賞者が遊んでよい石等によって緩やかなエコシステムを示す。そのすべてを見通すように会場入ってすぐのGROUPの『水屋根』が中に浮かんでいる。最終日は雨、水屋根の下には乾いた道ができている。