「空間に映画を充満させるには」という問いに対する映画監督ホムラヨシカズによる「New Cinema Parallel – A Piece of HOMURA Yoshikazu – 」である。空間の中心に配置された対となる二台のゲーム機を触れると操作可能な映像が流れる。この映像が映画というわけではなく、ゲームセンター然としたこの空間が映画だというわけでもなく、近隣で撮影されたアバターとしてのアクターが散歩をすることの追体験をおこなうのだが、スティックを横に動かせば横を見ることができる、つまり、この映像は過去の決定的な事象ではあるが、ある程度自由を与えられた状態であり、リアルタイムのような没入感をもたらしてくれる(散歩をしているだけなのだが)、素朴な話としては映像編集のWSのようでもあり、その編集している様をまるでゲームセンターのように後ろからのぞき込み、その手捌きに対して点数を付けるということも可能となり、様々なレイヤーでこの空間にアクターとして溶け込んで行き全ては映画に帰する。
「New Cinema Parallel – A Piece of HOMURA Yoshikazu –」
@FLESH, Tokyo
2018.11.30 - 12.23
Graphic Design: 浅野隆昌
Photo: 佐久間靖浩