ペインター成澤果穂によるFL田SHこけら落としの展覧会「Layer of drawing」である。ここから外苑前のFL田SHは始まった。この時はまだ空間の半分には大きな鉄の棚があり、そこに物販を配置しショップを展開しており、書籍やZINEなどを展示販売していた。開きたてのこのショップ&ギャラリーに呼応するように、成澤はZINEのような絵画と大きな捲ることのできる絵画のような大きな本とでもいえる作品を提案してくれた。そして参照している書籍を棚に置き閲覧可能とし、狭いながらも重層的な展覧会が完成した。大きな本は1人では重すぎて捲ることができない、鑑賞するためには最低でも3人は必要で、鑑賞によって小さな共同体が立ち上がる、その景色を思い出し、この絵画はとても開かれた作品だと感動した。そしてこの絵画のように開かれた空間にしていくことを決意した2018年の秋。
「Layer of drawing」
@FLESH, Tokyo
2018.09.26 - 10.08