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光岡幸一

「もしもといつも」


@BLOCK HOUSE, Tokyo


2021.02.04 - 02.28


Photo: 竹久直樹
Opening Performance: 杉野丼


掲載レビュー
https://bijutsutecho.com/magazine/review/23865

 

今回のブロックハウスでの個展は、2019渋谷区神宮前のFL田SHにて開催以来の個展となります。まずは、本展のイントロダクションとして光岡幸一の作品「TAMA ART CENTER」(2019-)を紹介します。光岡は多摩川河川敷を歩き回り、そこで見つけた謎の村、そこに住まう方々と丁寧にコミュニケーションを取りながら、数年が経過します。

2019年、その村が河川の拡幅工事で水に沈む事がわかり、自身で開発(development)することを決めます。開発といっても作業をするのは光岡ただ一人、己の身体を駆使し、漂流物などで半屋外空間を建設します。そこには白い壁や、伝統的なアート作品を守る為の空間は一つもありません。そして、その川辺は台風の時期には全て洗い流されてしまうのです。そのような場所でたった一人で川辺を開発している行為はこの都市の大規模な再開発へのアイロニーとも言えるかもしれません。

「もしもといつも」(英語表記 extraordinary__ordinary)と題した今回の展示では、昨今のコロナ禍でのオリンピック開催の是非や、未曾有の震災から10年が経過しようとしていること、都市開発と渋谷川に代表される暗渠化され見えざる水脈のスタディを柱とし、光岡は「もしも」と「いつも」という言葉を選びます。

その言葉から見えてくる人間の営みや、都市の機微に焦点を当てた新作シリーズである写真プリントに泥でドローイングを施した平面作品、床には泥や石や流木等で作られたオブジェを配置します。ブロックハウス地下に流れる渋谷川の水をギャラリー内に取り込み、鹿威しの要領で流れてくる水が写真作品やオブジェに変化を与え、そしてさらに光岡自身が新たに手を加えて作品と展覧会自体が変化していく展覧会です。